大判例

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仙台高等裁判所 昭和28年(う)252号 判決

しかし強盗罪の成立に必要な暴行または脅迫は、周囲の事情や被害者の精神上・体力上の関係などを客観的に観察し、社会通念上、被害者の反抗を抑圧するにたるものであるか何うかという客観的標準によつて決定すべきものであり、被害者が犯人の暴行または脅迫によりその精神及び身体の自由を完全に制圧されたことを必要とするものでない。本件において原判決挙示の証拠によれば、被告人は午前二時頃、二九才の女一人だけの住家に浸入し、寝室の障子に錠がかかつていたので、用意した薪を携えたまま体ごと障子に打ち突けてこれを破り、臥床中の女の蒲団の上に転び込んだので、両手と胸で女の上に乗りかかつて抑えたところ、女は異様な物音と、のしかかつた男に吃驚して泣声をあげたので、「殺すとか傷けるとかで来たのではない、金一万円貸してくれ」と言つたことが認められるから、被告人の所為を以つて被害者の反抗を抑圧するにたる暴行脅迫ということができる。しかして…………の証拠によれば、所論被告人に強盗の犯意があつたこと、被告人は故意に蒲団の上から被害者を抑えつけて脅迫したこと、及び被害者が金員を差し出したのは前叙認定の被告人の暴行脅迫に因るものであることが認められるのであつて、結局原判示事実を証明するにたりるから原判決がこれに対し強盗未遂罪を以つて問擬したのは正当である。

(註。本件の破棄理由は量刑不当)

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